Ubuntu16.04以降で動画編集ソフトShotcutを使用する

最終更新日:2018.6.22


・・・とタイトルにかきましたが、マルチプラットフォームなのでWindowsの方もMacの方も同様の操作が出来ます。
私がメインで使っているのはUbuntuであるため、作成環境、並びにスクリーンショットとインストールの方法はUbuntuです。

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目次


はじめに

Shotcutはマルチプラットフォーム対応の動画編集ソフトです。
Windowsも、Macも、Linuxでも、どのOSでも動作します。
そのため一度使えれば、OSを自由に乗り換えることが出来ますし、またOSのバージョンが上がり、今まで使っていたバージョンのサポートが終了したために使うことができなくなった、などということはありません。

Shotcutプロジェクトのサイトはこちら
https://www.shotcut.org/download/

どんなことが出来るのか、また実際に出来たのか、動画にしてみました。動画が表示されないときは、こちらのリンクを押して下さい


※背景のSL動画はものぐさな私がお外で動画を撮影してソースを用意するのが面倒だっただけなので、全く意味はありません。



GoogleWebDesignerを組み合わせて、効果音をつけてテキストテロップをアニメーションさせてみたところです。
GoogleWebDesignerでHTML5テキストアニメーションをさせ、それをブラウザでアニメーションさせたものをデスクトップスクリーンキャプチャソフトを使って録画し、Shotcutでクロマキーで合成したものです。
作り方は左の動画の説明欄にも記述してあります。
・左側のものは「カクッ」というオチのようなアニメとそれに合わせた「チーン」という効果音、カラフルなテキストテロップをインサートし、拡大縮小回転し、タイミングよく効果音をShotcutで割り当てられるというサンプルとして作りました。
・右側は車の急ブレーキのように減速しながら登場し、左側にあたって跳ね返って表示させるテロップテキストアニメーションを作ってみました。
これを応用すれば、任意の透過PNG画像をアニメーションさせて合成できます。

動画が表示されないときは、こちらのリンクを押して下さい
動画が表示されないときは、こちらのリンクを押して下さい


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インストールの仕方

その1.snap

ちょっと古いバージョンになりますが、16.04向けにsnapパッケージが提供されています。
snapの問題点はセキュリティや新バージョンの更新でaptと同じタイミングで出来ず、独自に

sudo snap refresh shotcut --classic

と実行しなければならず、面倒な点です。
それを除けば簡単にインストールできます。
snapより更に古いバージョンの更新タイミングになりますが、それで良ければaptでセキュリティ更新と同じタイミングで出来るその2.PPAのほうが良いかと思います。
snapでインストールするには端末から

sudo snap install shotcut --edge --classic
sudo apt install libsdl2-2.0-0

と、それぞれ1行づつコピペなどで入力し、実行します。

・・・と、それだけなのですが、あまりに短すぎるので体裁を整えるために画面を用意しました。
一応そのとおりであるということを確認、という体裁で、画面を載せておきます・・・

「sudo snap install shotcut --edge --classic」と、一行目の通り、コピペなどで入力します。

システム領域へインストールするため、パスワードを入力します。
インストールが始まると、テキストでアニメーションしてくれるので、進行状況がGUIの時と同じようにがわかります。

インストールが終わると左図のようにプロンプトが出ますので、ここで2行目をコピペなどで入力します。

これらのパッケージを変更する、ということを自動的に算出し、競合しないよう適切に判断した後この環境では左図のように表示し、インストールするか聞いてきます。
普通はわからなくてもいいので、そのまま「y」でイントールします。

普通はこんな感じで、よほど謎めいたPPAなどでない限りはそうそう競合は起きないよう自動的にこのように判別して、調整した後インストールしてくれます。

インストールが終わると普通はapt-getなどではすぐにdash検索に反映されるのですが、snapパッケージは新機軸のためか再起動しないと反映してくれませんでした。
ですので一旦再起動して下さい。
ログアウトしなおしても多分大丈夫だと思うのですが、自動ログインにしてパスワードの入力を面倒なために省いているため検証はしておらずすみません。

dash検索窓から「shot」と入れると、左図のように表示されるので、ランチャーにドラッグして登録するかして起動します。

これでインストールは終了です。

アンインストールするには端末から

sudo snap remove shotcut && sudo apt remove libsdl2-2.0-0

と、コピペなどで入力し、実行します。


その2.非公式のPPAパッケージ

PPA版の問題点は新バージョンが頻繁に更新してくれていないことです。
ですのでバージョンとしてはsnapより更に古いことが問題です。
反面PPAなので、もしも新バージョンがPPAに来た場合はapt-getで一緒に更新してくれます。
インストールは端末から1行づつ下記をコピペするなどして入力し、実行させます。

sudo add-apt-repository ppa:haraldhv/shotcut
sudo apt update && sudo apt install shotcut

アンインストールは同じく端末から

sudo apt remove shotcut && sudo apt autoremove
sudo add-apt-repository --remove ppa:haraldhv/shotcut

と、一行づつ実行します。

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画面と操作の説明(使用のための準備)

左図は初回起動時の画面です。
・・・ぶっちゃけわかりづらいと思います。

そこで編集しやすいよう、これから表示を整えていきます。

最初に「プレイリスト」を押します。
文字通りプレイリストで、ここに動画のプレイリストをまず読み込ませますが、最初はエディットしやすい表示形態に整えます。
説明はひとまず後回しにし、次を表示します。

次に、「タイムライン」を押します。
タイムラインは動画編集ソフトではおそらくおなじみであろう、作成データの時間軸を表示し、エディットする実質的なメインエリアです。
操作をしながら説明するので、ひとまず次に行きます。

ここから一気に必要なボタンをポンポンと押していきます。
「プロパティ」「フィルター」「Export」ボタンを押すと、それぞれ「プレイリスト」のあるエリアのタブとして追加されていきます。
追加されたタブは順序を入れ替えられます。

これで基本的な操作に必要な内容の表示が出来ました。
表示内容などは細かくカスタマイズできるのですが、カラーバーの所でExport(エンコーディング)操作と共に説明しています。

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操作の実際(基本的な操作)

起動したら、素材をプレイリストへ追加していきます。
左の少し下にある、「プレイリスト」タブを押し、素材をドロップします。
テロップなどの文字に使用する透過PNG画像などもここで追加します。
左図はWEBMですが、一般的なMP4も大丈夫です。
サポートされる映像のフォーマットは搭載されている環境のffmpegに依存しますが、ほとんどが大丈夫であると思います。
私が確認した限りでは、webmとmp4を同時に組み込め、エンコーディング出来ます。

ドロップすると、素材のプレビューが再生されます。

プレイリストへ追加された素材をタイムラインへドロップして、追加します。

追加されると終端まで飛んでいってしまうので、スクロールバーをいじるか、左図のように再生ボタンなどの操作や、タイムラインにある白いバーをスライドさせることによって移動します。

追加した動画を分割したい場合は、タイムラインを分割したい位置へ持って行き、「Alt+S」か、ウインドウ内の「プレイヘッドで分割する」ボタンを押します。

これで分割されました。
直前の動作に戻したいときは一般的な「Ctrl+Z」で戻せます。

結合をしたい時は、その両者の左側を選択し、右クリックして「次のクリップと結合する」を選択します。

後で説明しますが左右の端をドラッグすることで長さを再調整でき、復旧させたいタイムラインまで時間を伸ばすことで、自動的に補完され、戻すことも出来ます。

ここではこれから編集の説明をするため、3つに分割します。

削除したいときは、削除したい部分を選択し、右クリックして「削除」です。
タイムラインからドラッグして選択して削除かと思ったのですが、ドラッグは分割された個別のパートを移動させるためのものであるため、私はこのインターフェースが独特で分かりづらかったです。

ちょっとわかりづらいですが、削除されました。

反対側も同様に削除します。

これで前後両方が削除されました。

しまった!削除してしまった!!・・・という時や、もうちょっと微調整したい時は、まず前方向に伸ばしたいときはドラッグして空白を作ります。
複数のオブジェクトがある時に、それらを同時に動かすことは出来ないようで、その場合は右端から順に空白を作っていきます。

あとは、調節したい長さへドラッグすれば、微調整できます。

その際なんと、元の動画から自動的に補完してくれます!

いや、これはなかなか優秀なのではないかと・・・

ところで左図ではプレビュー画面には何も表示されてませんが、それはタイムラインのカーソルが黄色い何もないところを指しているからです。

反対側にももちろん伸ばせますが、詰まっている場合は移動させて空白を作ってからしか出来ないようです。
その理由は後の場面切り替えで多分わかっていただけるかと思います。

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同一の素材から単一、または複数の範囲を別々に切り取って取り込むには

起動したら、素材をプレイリストへ追加します。
左の少し下にある、「プレイリスト」タブを押し、素材をドロップします。

素材を取り込むとプレビューが再生されますが、その時下部の青いバーで範囲指定をすることが出来ます。
白い矢印で始端と終端がわかるようになっています。

例えば左図のように範囲が指定できます。

範囲が指定できたら「画像の部分」を、タイムラインへドラッグします。

これで範囲指定をしてタイムラインへ追加できました。

この時点だとタイムラインへ貼り付けた方へフォーカスが行っているので再び範囲指定できませんが、「ソース」タブへ変更して・・・

素材のプレイリストをダブルクリックすると、再び範囲指定が可能になり、同一ファイルの違う範囲や、他のファイルの範囲指定から追加できるようになります。

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2つの素材を結合し、場面を切り替えるには

起動したら、結合する二つの素材をプレイリストへ追加していきます。
今回は「素材A.mp4」と「素材B.mp4」の二つの素材から、それぞれ範囲指定をして取り込んでみました。

タイムラインへそれぞれ取り込んだら、間の黄色い空白を削除するか、素材Bをドラッグし、双方の素材をくっつけます。

二つの素材がくっつきました。

そこからさらに重ねあわせると・・・

重なった時間でシーン切り替えを行います。
時間は後でドラッグすることで調節できます。

「プロパティ」タブにしてから、素材と切り替えエリアを何度か押さないと切り替わらないのですが、押しているうちに左図のように切り替えのプロパティが表示されます。

「ビデオ」にあるドロップダウンリストを選択すると、切り替え効果が変更できます。
再生をするか、タイムラインの白いバーをスライドさせることで、効果をリアルタイムで瞬時に確認できます。

エンコーディングすることなく、瞬時に効果がリアルタイムで確認できるのはすごいと思いました。

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テレビのカラーバーの動画を作るには

左図はテレビでよく見かけるカラーバーですが、これをShotcutで作り出し、動画にすることが出来ます。
本当は今からの手順のように一度エンコードして動画にせずともプレイリストから他の動画と同時編集をして組み込めるはずなのですが、バグなようで、特にカウントダウンが入るとカウントダウン自体に写り込んでしまって表示がおかしくなってしまいます。
それを避けるため、一旦エンコーディングしてから組み込むようにします。
特にカウントダウンは一度テンプレートとしてエンコードしておき、最終合成して再エンコーディングしたほうがいい感じです。
将来バグフィクスされれば同時編集が出来ると思います。
ただ、何れもある程度の秒数でそれぞれ単体で用意しておけば、汎用性も高まるので便利だと思います。

まず、「ファイル」メニューにある「他を開く」を選択します。

今回は先のカラーバーと同じものにするため、「カラーバー」「SMPTEカラーバー」とします。
これも含め、カラーバーを一つ一つ見ていくのは大変だと思うので、リストを記しておきます。
カラーバーの種類を選択したら、「OK」とします。

追加できるカラーバーの種類:

100% PALカラーバー
100% PALカラーバー赤色
95% BBC PAL カラーバー
75% EBU カラーバー
SMPTEカラーバー
Philips PM5544
FuBK
FuBKを簡素化する

取り込んだカラーバーが表示されます。
ここから範囲指定をして取り込んで、他の映像と共に同時編集しても良いのですが、とりあえず今回は汎用ということでエンコーディングさせます。

「プレイリスト」タブに変更し、取り込んだカラーバーの「画面」の部分をプレイリストへドラッグします。

プレイリストへ追加されました。

追加したカラーバーのプレイリストを、さらにタイムラインへドラッグします。

タイムラインへ追加されました。
範囲指定をせず追加すると長さが10分になる上、追加されると一番最後に行ってしまうので、頭出しボタンで戻ります。

バーをスライドさせるか、直接時刻を入力するなどして、分割させたい場所まで移動させます。

「Alt+S」か、「プレイヘッドで分割する」のボタンを押し、分割させます。

分割されました。

今回はとりあえず10秒間、カラーバーを表示させる動画を作成します。
不要となる部分を右クリックして、「削除」で削除します。

不要となった部分が削除されました。
後から撮ったスクリーンショットで見た目は違いますが、同じ状態です。

カットした所、所定の10秒に満たなかったので、ドラッグして表示時間を延長します。
延長した際、その間の映像がプレイリストの元のデータより抽出され、自動で補間されます。
左図において、「00:00:10:00」とありますが、これは時間を表し、「時:分:秒:フレーム」の順です。
今はこれで10秒丁度を表します。
例えば秒間24フレームの場合、00:00:00:24の次が、00:00:01:00となります。

先頭の何もない部分が出たので、右クリックして削除します。
削除しなくても、ドラッグでも同様の操作になります。

これで、10秒丁度のカラーバー動画が出来上がりました。
後はエンコーディングして最終出力します。

「ピー」という音声がないので、それをつける方法は別途記述します。

ここでは説明の流れとして、まずエンコードを次に説明します。
音声をつけたら、次のエンコードへ進んで下さい。

ここでは次のエンコードを先に行います。

Export(エンコード)する

「Export」タブにすると、エンコーディングの設定画面が出ます。
そもそもエクスポートのタブがないんだけど・・・という方は、上の方にある「Export」ボタンを押すと、タブに追加されると思います。

・・・それにしてもこの小ささ・・・これは見づらい・・・ですよね。
そこでカスタマイズしてみます。

のボタンを押すと、タブから分離して独立します。

独立させたウインドウは大きさが変更できますので、見やすい大きさにします。

デフォルトのエンコーディング設定は左図のようになっていて、1920x1080、mp4フォーマットで秒間25フレームとなってます。
詳しく設定を変更したい方は適宜変更していただき、準備が整ったら「ファイルをExport」ボタンを押すとエンコーディングされます。
エンコーディングの進行状況は新たに「Jobs」ウインドウが表示され、そこへ表示されます。
左図は10秒のカラーバーをエンコーディングさせたものですが、既に完了しています。

ウインドウを細かくカスタマイズするには

のボタンを使うと、ウインドウを分離・または閉じることができます。
個人的見解ですが、「Jobs」はエンコーディングの時くらいしか使わないので分離しておくか、エンコーディングが終わったら閉じるなどすると良いかな、と思いましたが、皆さんの好きな配置に出来ます。
「Export」は中に入れておくと小さすぎるので、このように分離して大きくしておくと良いと思います。

分離させたウインドウはドッキングできます。
ドッキング可能なエリアへドラッグすると、対象エリアが左図のように青く変わるので、そこへドロップします。

これで再びExportウインドウがドッキングされました。
もしExportウインドウを閉じてしまったら、画面上の「Export」ボタンを押すと、再び表示されます。

「Jobs」ウインドウを閉じてしまった時は、「View」メニューから「Jobs」で表示できます。
その他左図のの内容も、メニューを辿って表示させることが出来ます。

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カラーバーに音をつけるには

他のパートでカラーバーをShotcutで作り出し、動画にするまでを書きました。
ここではこの映像に音声をつける方法を記します。

左図は予めカラーバーを作成しておき、「Export」でエンコーディングし、それを「プレイリスト」へ追加した状態です。
そこで、「ファイル」「他を開く」とします。

「ジェネレーター」から「Audioトーン」とし、「フリークエンシー」を1000Hzにします。
1000Hzとは、テレビのカラーバーから流れるあの高い「ド」の音です。

音量が大きいと感じたら、適宜「レベル」を例えば「-10dB」などとしますが、ここで設定してしまうとマスターの音が下がってしまうので、後から「フィルター」で音量を下げられますのでここではちょっとうるさいですが我慢します。

先程申し上げたとおり、音がちょっと大きいので、音量に注意してとりあえず聞いてみましょう。
テレビでよく聞くカラーバーと共に鳴る、「ピー」という高い「ド」の音が聞こえてくると思います。

鳴ることが確かめられたら、「プレイリスト」へ追加します。
慣れてきたら時間を切り取って、範囲を指定して取り込んでも構いませんが、今はそのままやってみます。
「画面」をドラッグし、「プレイリスト」へドロップします。

「プレイリスト」へサウンドが追加されました。
mp3やwavといったffmpegでサポートされている他の音源フォーマットも、映像と同じようにここへドロップすることで追加します。
効果音などはこうして追加していきます。

「プレイリスト」へサウンドを追加したら、映像と同様にタイムラインへサウンドを追加します。
映像とサウンドは別々なトラックで用意します。
映像と同様、サウンドもサウンドで、トラックを追加することで重ねて鳴らす事ができますが、今回作成するのはカラーバーのサウンドなので、単一の音を最後まで鳴らし続けるようにします。

タイムラインの左上にある「三」のようなボタンを押し、「オーディオトラックを作成」とします。 タイムラインの空いている所で右クリックしても、同じメニューが出ます。

これでサウンドトラックがタイムラインへ追加されましたが、トラックが見えないのでShotcutのウインドウの大きさを調整します。

Shotcutのウインドウの大きさを調整し、追加されたオーディオトラックへ「ピー」のサウンドをドラッグして追加します。

ドロップするとすかさず一番最後まで行ってしまって見えなくなるので、慌てず騒がず頭出しボタンで戻ります。

時間を切り取って、範囲を指定して取り込んだ場合で、範囲が短い場合は飛んでいってもすぐ戻れますし、必要な秒数だけ切り取ってこれますし、短くなってしまった場合でもドラッグすれば補完してくれます。

ドロップした際、位置が先頭でなかった場合は左図のように黄色い空白が出来ます。
空白の時間は音が割り当てられていないので、当然音は鳴りません。
今回カラーバーと同期を取るため先頭にしなければならないので、映像と同様ドラッグして先頭に移動させるか、左図のように右クリックして削除します。

左図は削除したところですが、この状態でカラーバーの終端へドラッグするのは面倒なので、頭出しボタンで移動します。

終端まで持ってきたら、動画と同様「Alt+S」か、「プレイヘッドで分割」とします。

カラーバーの終端で分割したら、不要な部分を右クリックして「削除」とし、削除します。

これで、あの「ピー」という音声つきのカラーバーが出来上がりました。

出来上がったカラーバーは、左図の各種ボタンで再生や巻き戻しをしたり、タイムラインのバーをスライドすることで確認できます。

あとは「Export」として再エンコーディングすれば、完成です。

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特定の複数箇所にモザイクやぼかしを入れるには

Shotcutで比較的簡単にモザイクやぼかしを入れること自体や、複数箇所へ同時にモザイクやぼかしを入れ、フレームや秒ごとに移動させたり大きさを変化させることは容易ではありませんでした。
できなくはなかったのですが、私が知っている方法だととても手間がかかるので、人様へお話する方法としては向いていませんでした。

しかし最近になってか、はたまた私がいままで使い方がわからなかったからだけなのか、ともかくようやく複数箇所へ同時に、モザイクやぼかしを比較的簡単にコマ単位で同時並行で動かしながらセットできるようになりました。
そのやり方を記します。

※複数箇所へ同時に適用できますが、別々な効果を同時に適用する方法ではありません。
例えば:
・同じ「粗さ」のモザイクを複数箇所へ同時適用する
・同じぼかし度合いのぼかしを複数箇所へ同時適用する
という方法で、複数箇所へモザイクの「粗さ」を変えたり、モザイクとぼかしを同時使用するものではありません。

まず、ソースからモザイク/ぼかしを入れたい映像をプレイリストに追加します。

続けて、プレイリストからタイムラインへ追加します。

タイムラインの空いている所を右クリックして、「ビデオトラックを追加」とします。

末尾に移動するので、頭出しをして先頭へ移動します。

コピーをします。

例えば左図のように、追加したビデオトラックの空いている部分をクリックして、アクティブにしてから貼り付けます。

タイムラインをクリックして選択しない理由は、タイムラインでクリックしてしまうと、その時間へカーソルが移動してしまい、貼り付けた時にその時間に貼り付けられてしまううえ、更にカーソルが末尾に移動してしまい、その上に両者を全く同じ位置に揃える作業が一つ増えてしまうからです。
それを避けるため、このような選択方法を取りました。

末尾に移動するので、再び頭出しして先頭へ移動します。

これで全く同じ映像が、V1とV2の両方のトラックに同時に再生されるようセットされました。
ここからはV2、すなわち上側を「ぼかしやモザイクの範囲指定用」のトラックに、
V1、すなわち下側を「ぼかしやモザイクの効果用」のトラックにします。

トラック相互間で効果を適用し、合成するかどうかを決められるボタンがあり、下記のようになっています。
のマークが「合成する」(もしくは効果を適用する)の状態で、
のマークが「合成しない」(効果の影響を受けない)状態です。
個人的にはマークが逆のように思えるので、どちらがどの役割かを説明しました。

今回は左図のように必ずV2を、即ち効果を適用するようにし、V1を、即ち合成しないようにします。
合成の有無にかかわらず、フィルターの効果のチェックを外さない限り、トラック自体に効果は適用されます。
上層のV2はV1に対して効果を適用しなければ合成されないので、ONにするというわけです。

トラックV1に効果用、トラックV2に範囲指定用を割り当てることにしたので、最初にV1に効果、即ちモザイクやぼかしを適用します。
トラックV1の映像を選択して、「フィルター」タブを選択し、「+」で効果を追加します。

「+」を押すと、追加したいフィルターの一覧が出ます。
ここでは「Mosaic」を選択し、モザイクを追加することにします。

フィルターについて:
フィルターウインドウをタブにドッキングしていますが、このフィルター内のタブアイコンについて説明します。

がビデオ用のフィルター、
が音声用のフィルターです。
は、音声とビデオを共通表示にして、お気に入りとして表示するためのものです。
左端のをチェックしておけば、お気に入りで一覧として表示されるので、必要なフィルター効果を瞬時に選択することができます。

フィルターウインドウの説明をしたところで、引き続きぼかしやモザイクの説明を続けます。

こちらは「Mosaic」を押して、フィルターを追加したところです。

※この段階ではV2の効果が出ていないため、上側のレイヤーにあるV2の映像がそのまま出てしまい、今はモザイクが見えません。

そこで、次にモザイクにする範囲を指定するため、V2のレイヤーの映像を選択し、同じく「フィルター」「+」とします。

範囲を指定して効果を適用させるフィルターは「Mask」です。
ですのでビデオフィルター「」の「Mask」を選択して、効果を追加します。
よく使う効果なので、私は左図のようにMosaic、ぼかし、Maskを「」でお気に入りに追加しています。
他にもよく使うフィルターとして
・暗いところから映像が見えるようになる「ビデオFade in」
・逆に暗くなっていく「ビデオFade Out」
サウンドでも
・音量が大きくなっていく「オーディオFade in」
・小さくなっていく「オーディオFade Out」
を登録してます。

マスクを追加して、ようやくモザイクがかかりますが、最初は「対象範囲を除く」範囲がモザイクになります。
こういったケースはテレビ番組の潜入でよく見かけますが、今回は「対象範囲をモザイクやぼかしにする」ので、反対にします。

「Mask」にある「オペレーション」を、デフォルトの「クリアにホワイト」から「引く」へ変更します。

これで指定された範囲のみにモザイクがかかるようになります。

「水平」「垂直」でモザイクの位置、「幅」「高さ」でモザイクの大きさを変更します。
マウス操作では位置や大きさの変更はできません。

・・・これがGUIでできるようになれば、Windows用のフリーソフトAviUtlの部分フィルタと同様になると思うのですが、特にLinux環境ではここまでのことができてかつ動作が安定している動画編集ソフトがなかなかなかった中、ようやくShotcutが出てきた段階なので、将来マウス操作で変更できるようになることを期待したいところです。

左図は「水平」「垂直」でモザイクの位置を変更したところです。
これで、任意の場所と大きさでモザイクをかけることができました。

複数箇所を同時にモザイクやぼかしをしたいときは、「フィルター」で再度「+」とし、「Mask」を追加して、「オペレーション」を、デフォルトの「クリアにホワイト」から「引く」へ変更し、水平、垂直、幅、高さでモザイクやぼかしの大きさと位置を変更することを繰り返していきます。

今のままですと、シーンが切り替わったり、モザイクやぼかしたい範囲をコマや秒毎に切り替えることができていませんが、次の手順で別々の範囲を独自に追従させていくことができます。

まず、移動をさせたい時間まで、タイムラインを移動させます。
左図の例では「SL」と赤く反転して囲まれているところをモザイクするよう変更したいシーンまで持ってきました。
次に、「範囲変更用」に設定したシーンで「プレイヘッドで分割」を押し、シーンを分割させます。

分割をしたら、変更したいシーンを選択し、すでに適用されているフィルターの「Mask」の、それぞれの座標と大きさを変更すれば完了です。

複数箇所に「Mask」を適用している場合は、個別に移動していきます。
これにより複数箇所を同時に、別々に操作していくことができます。

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